既往歴(きおうれき)

既往歴とはこれまでかかった病気などの記録のことです。既往症ともいいます。
既往歴には大きな病気だけではなく薬の副作用、アレルギー、交通事故、出産経験、健康状態なども含まれます。
これらの情報は現在かかっている病気の診断にも役立ちますし、
患者さんの体質を確認することは、治療選択の判断のための重要な手掛かりにもなります。

既往歴、既往症などの言葉は、病院にかかったことがある人であれば、見聞きした経験があり、その認知率は73.2%に上ります。
使われる場面から類推して大体の意味は理解できるようですが、はっきりとした意味は取りにくく、
「病歴」「これまでかかった病気」といった言葉にしたほうがわかりやすいでしょう。

このような誤解がある

  • 虫垂炎など、軽かった病気は、既往歴に含まれないという誤解(8.1%)。
  • 交通事故などケガは既往歴に含まれないという誤解。

患者さんは既往歴の対象を自分の判断で、「この程度だろう」と思いがちです。
正確に聞き出すためには、問診票に主な既往例を列挙しておき、チェックを入れてもらう方法なども有効です。

現在の病気の診断や治療法の選択にとって、なぜ既往歴を知ることが大事なのかを説明することで、
患者さんの理解が進み、既往歴の申告漏れの減少が期待できます。
また、アレルギー歴や産科歴は、既往歴とは別に尋ねたほうが混乱もなく、正確に聞き取りができるでしょう。

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この記事は2018年12月現在の情報となります。

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