腫瘍マーカー(しゅようまーかー)
腫瘍マーカーとは、がんがあるかどうかの目安になる検査の値をいいます。
がん細胞の表面には、正常細胞には見当たらない物質があり、はがれて血液の中に流れ込みます。検査では、その物質が血液中にあるかどうかを見る目印にして、がんにかかっているか否かを調べます。がんの種類によって目印とする物質は異なり、それぞれで目安となる値が決められています。
このような、がんであるかどうかを見る目印となる物質やその値のことを腫瘍マーカーといいます。しかし、腫瘍マーカーの数値は個人の状態によっても左右されますので、高い低いだけでははっきりとしたことはいえません。
腫瘍マーカーという言葉の認知率は64.3%と比較的高いですが、理解率は43.5%とまだ低いため、患者さんには十分な説明を行うことが求められます。
このような誤解がある
- 腫瘍マーカーの値が正常だからがんではない。がんが治ったという誤解(22.1%)。
- 腫瘍マーカーが高いので悪いがんであるという誤解(12.9%)。
- 腫瘍マーカーの数値ががんの進行度を表しているという誤解(17.5%)。
- 腫瘍マーカーは検査に使う試薬であるという誤解(8.4%)。
腫瘍マーカーを万能と思い、その数値によって過度に安心したり、過度に不安になったりする人が多いため、数値の解釈について丁寧に説明し、慎重な判断が必要である旨を強調する必要があります。同時に腫瘍マーカーだけに頼らず、定期的な検査の必要性も説明するようにします。
関連ワード
この記事は2018年12月現在の情報となります。