腫瘍(しゅよう)
腫瘍とは、細胞が異常に増殖してかたまりになったものです。
腫瘍には良性のものと悪性のものがあり、悪性腫瘍は周囲を壊しながら広がったり(浸潤)、離れたところに飛び移ったり(転移)します。悪性の場合は、治療が必要です。
良性のものは、大きくなったとしてもその場所にとどまるので、基本的には治療をしなくても問題ありませんが、脳にできた腫瘍は良性であっても治療が必要です。
腫瘍という言葉の認知率は99.1%とよく知られていますが、言葉を知っている人のすべてが言葉の意味を正しく理解しているわけではなく、理解率は76%となります。
「腫瘍」という言葉はなじみがありませんが、「腫」は「はれる」、「瘍」は「できもの」と、漢字の意味を説明し、「はれたできもの」と伝えるとよいでしょう。
このような誤解がある
- 腫瘍はがんと同じものである(22.6%)。
- 良性の腫瘍であっても、やがてがんになる(20.5%)。
- 良性腫瘍は絶対にがんにならない(23.6%)。
腫瘍という言葉の受け止め方は、人によって異なり、過度な不安につながる誤解と、過度な楽観につながる誤解とがあります。
良性腫瘍と悪性腫瘍ではその後の対応が全く異なるため、見分けるための検査が必要になります。検査の結果を伝えるとき、良性腫瘍の場合には、浸潤や転移の心配がないことを伝え、検査結果がでるまでの患者さんの気持ちを思いやるようにします。
一方、悪性腫瘍の場合には、より一層配慮が必要となります。「悪性」という言葉は、マイナスのイメージが強く、患者さんに大きな不安を与えるおそれがあるため、「悪性」という言葉をいきなり使わないことで、患者さんの不安軽減・医師の説明への傾聴・治療への意欲を育む効果が期待できることがあります。場合によっては検査結果を伝える際には「腫瘍」という言い方から始め、「悪性」という言葉を使わないで説明をし、必要に応じて「悪性腫瘍」、「がん」などと説明を加えることも検討されます。
この記事は2018年12月現在の情報となります。