浸潤(しんじゅん)
浸潤とは、がんが周りに広がっていくことです。
「浸」はしみることで、「潤」はうるおって水気を帯びることです。浸潤は、水が少しずつしみ込んでいくように、がん細胞が周囲の組織を壊しながら入り込み、次第に拡大していくことです。
「浸潤」という言葉の認知率は41.4%と低いので、患者さんに説明するときには、この言葉は使わず「がんが周りに広がっていく」という表現を使ったほうがよいでしょう。
がんの治療法について、患者さん自身が積極的に知ろうと情報を集めていくと、「転移」という言葉に出合うことがあります。その際には「浸潤」という言葉も一緒に覚えてもらったほうが、患者さんの理解も深まることと思われます。
「転移」は、がんが最初にできたところからからだの離れた場所に飛び火して広がることをいうのに対して、「浸潤」はがんが周りにしみ込むように広がっていくことをいいます。転移と浸潤を混同しないことが大切です。
患者さんはここが知りたい
患者さんは、がんがどの範囲まで広がっているのか、今後広がる可能性があるのかを知りたいと考えています。がんが広がっていく原理とともに、現状と今後の見通しをわかりやすく伝えてあげましょう。
この記事は2018年12月現在の情報となります。