エビデンス(Evidence)
エビデンスとは、証拠という意味です。
医療現場でエビデンスという言葉を使う場合は、薬や治療方法、検査方法など、それがよいと判断する際の証拠のことになります。
医療の分野では、たくさんの患者さんに実際に使って試す調査研究をしていて、薬や治療法の効果や安全性を確認しています。エビデンスは、その調査研究によって導きだされた、よいと判断できる証拠のことです。
エビデンスという言葉の認知率は23.6%、理解率にいたっては8.5%という低い結果です。一般の人にはほとんど理解されない言葉であるということを意識して、患者さんへの説明の際には、使わないようにしましょう。
「エビデンスがある薬」に対しては、「よく効くことが研究によって確かめられている薬」、「エビデンスに基づく治療」に対しては、「研究の結果、これがよいと証明されている治療」などと日常的な表現に言い換えます。
ただし、エビデンスという言葉で語られる現代の医療について知っておいてもらうことはよいことです。医学の進歩により、薬や治療の選び方は以前とは変わってきていることを理解してもらいましょう。
専門用語を使わなくても、次のように伝えることは可能です。
「医学の進歩により、治療法や薬の種類が増えました。そこで、どのような場合にどの治療法や薬が最も効果があるのか、実際に多くの患者さんを対象に調査研究を行っています。それらの研究から得られた結果に基づいて、診療をしています。医師の個人的な経験や勘に頼った治療ではなく、この治療法は効果があるという証拠があるものを選び治療をしているのです」
エビデンスと同意の言葉に「EBM(Evidence-Based Medicine)」があります。日本語では、科学的根拠に基づく医療といいますが、この言葉はエビデンス以上に認知率(8.7%)も理解率(2.7%)も低いので、患者さんには使わないほうがよいでしょう。
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この記事は2019年1月現在の情報となります。