予後(よご)
予後とは、今後の病状についての医学的な見通しのことをいいます。
治療を行った後に、病状がどのような経過をたどるのかを予測し、見通しを立てます。
見通しを立てるための判断材料には、いくつもの要素がありますので、必ずこうなるというものではなく、ある確かさを数値としてあらわすことしかできません。
病気についての説明を受ける患者さんにとって重要なことは、最善の治療を選択するためには、その治療によって、どのような経過をたどるのか、ということを知ることです。病気の見通しを明確に理解することが非常に重要になります。病気がこれからどうなっていくのか、よくなるのか、悪化するのか、悪化した場合にはどのような状態になるのか、といったことなどを具体的に説明することが求められます。
また、予後という言葉を「余命」の意味として使うケースがあります。「余命」という直接的な表現を避けるという意図なのでしょうが、たとえば「予後、6カ月です」と告げた場合、患者さんには6カ月後の状況が正しく伝わっていないことが考えられます。
大事なことがあいまいになってしまわないように、婉曲表現には注意しなければなりません。
言葉遣いのポイント
予後という言葉の認知率は、52.6%と低く、一般にはあまり知られている言葉ではありません。漢字から意味を類推することも難しいため、患者さんへの説明の際には、「今後の見通し」などと別の言葉に置き換えるとよいでしょう。
また、「予後がよい」といいたい場合は、「これから病気がよくなる可能性が高い」などと言い換えるとわかりやすいです。
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この記事は2019年1月現在の情報となります。