化学療法(かがくりょうほう)

化学療法とは、薬を使って行うがんの治療法のことをいいます。

がんの治療法には、外科療法、放射線療法、化学療法があります。
外科療法は手術で、放射線療法は放射線で、患部を直接治療します。

一方、化学療法は、注射や内服によって、からだの中に薬を入れ、がんが増えるのを抑えたり、がんを破壊したりします。
化学療法は単独で行うこともありますが、手術の前や後に投与したり、放射線と併用したりと、ほかの治療法と組み合わせて行うことがあります。

がん治療で使われる薬は、注射や内服によって血液中に入り、全身の隅々まで運ばれて体内に潜むがん細胞を攻撃します。

がんは初期には、悪い細胞のかたまりとしてからだの一部にありますが、次第に全身に広がっていき、全身的な病気となってしまいます。全身病としてのがんを治療する場合は、化学療法は効果的な治療法といえるでしょう。

このような誤解がある

「カガクリョウホウ」と耳で聞いた場合、「科学療法」という漢字を想定して、科学的に信頼できる治療法だと誤解する人がいます(18.9%)。この言葉を使って説明する場合は、「化学療法」と漢字を書いて説明するとよいでしょう。

化学療法という言葉への誤解はほかにもあり、放射線治療のことだと思っている人も少なくありません(23.7%)。

また、化学療法は手術ができない患者に対して行われるものだという誤解をしている人もいます(18.1%)。

化学療法は、薬を使う治療法であると理解していても、その薬が「抗がん剤」であることを理解していない人もいます。「がん」と告知しないという配慮も大切ですが、重要なことが伝わらないことがないように注意する必要もあります。
化学療法という言葉の認知率は91.7%と高いのですが、理解率は77.3%と、必ずしも高くはありません。誤解も多い言葉なので、説明を丁寧に加えながら、使わなければならないでしょう。

化学療法を説明する場合には、「外科療法(手術)」「放射線療法」とセットになる治療であること、がん治療の主流であることをきちんと説明するとよいでしょう。

「抗がん剤」と、「がん」という語が入った言葉を避けるために、化学療法という言葉を使うことがあるように、「がん」という言葉を医療者側はなるべく使わないようにする配慮は大切です。とくに第三者が近くにいる場合は、より注意しましょう。

この記事は2019年1月現在の情報となります。

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