寛解(かんかい)
寛解とは、病気の症状が一時的に軽くなったり、消えたりした状態です。
そのまま症状が消えた状態が続き、完全に治る可能性もありますが、再発・再燃する可能性も否定できません。
寛解の状態を長く続けるために、よく様子をみていく必要があります。そのためには、定期的な検査を受けたり、薬などの治療を行っていきます。
「寛解」は、一般の人にとっては、ふだん見聞きしない言葉であるため、認知率も13.9%と低く、耳で聞いても漢字が思い浮かばず、さらに漢字を見ても意味が推定できないという難しい言葉です。不用意に患者さんに対して「寛解」という言葉を使わないようにしましょう。
がんなど長期にわたって治療に取り組んでいる患者さんでは、病状や治療についての理解を深めている人もいます。そのような患者さんに対しては、「寛解」という言葉を使って、より正確な説明を行うことが望まれます。
その場合には、「寛解」と漢字を書いて、病気が一時的に「寛(ゆる)くなり、解(と)けたような状態」を意味する言葉であると伝え、完全に治ることを表す「治癒」という言葉とは対比して説明するとよいでしょう。
このような誤解がある
病気が完全に治った状態だという誤解が多い。寛解は一時的に症状が軽くなったり消えたりしているのであって、治ったわけではないことを伝える必要があります。
寛解という状態は、このまま治る可能性もあるし、再発・再燃する可能性もあります。医療者の説明でどちらの側面がニュアンスとして強く現れるかによって、患者さんの印象は大きく変わります。
安心感を与えたい場合は、治る可能性に重点を置いた説明をし、油断させたくない場合は、再発・再燃の可能性を強調するなど、患者さんの状況に応じて、説明の仕方を工夫することも大切です。
関連ワード
この記事は2019年1月現在の情報となります。