合併症(がっぺいしょう)

合併症とは、ある病気が原因になったり、手術や検査をした後に起こる別の病気のことです。

1.病気の合併症の場合

ある病気が原因で起こる合併症として、たとえば糖尿病になると血管が弱ってきますが、血管が弱ると動脈硬化が起き、さらに脳梗塞などの病気が発症することがあります。この場合、脳梗塞は糖尿病の合併症となります。

2.手術や検査などによる合併症の場合

この場合は、「併発症」「手術併発症」「検査併発症」と言い換えることができます。
手術や検査などの後、それらがもとになって起こる病気があります。
たとえば、消化器の手術をすると、腸の動きが鈍くなり腸がスムーズに動かなくなる場合があります。そのために腸がつまって腸閉塞が起こることがあります。この場合、腸閉塞は手術の合併症となります。このような合併症は必ず起こるというわけではありませんが、どのような手術でも起こる可能性はあります。

このような誤解がある

1.病気の合併症の場合

合併症を何かの病気と一緒に必ず起こる病気だと誤解している人が少なくありません(28.8%)。また、偶然に起こる病気だと誤解している人もいます(31.1%)。

2.手術や検査などによる合併症の場合

手術や検査などを行った後、起こる合併症については、医療ミスだと誤解する人がいます(19.1%)が、どんなに注意深く手術や検査を行っても、完全には防ぐことができないものであることを理解してもらう必要があります。

合併症という言葉の認知率は97.6%と非常に高いのですが、理解率は低く、①でも②でも、その認知率は54.1%、18.5%にとどまっています。
正しく理解されない理由としては、日常で使う「合併」という語と医療用語の「合併症」で意味のずれが大きいこと、医療用語の「合併症」には、①病気の合併症と、②手術や検査などによる合併症の二つの意味があることが考えられます。

日常で使う「合併」は「市町村合併」や「企業合併」など、「別々のものが一つになること」という意味があります。これらの意味と混同させないように、病気や治療の説明のときに「合併症」という言葉を使う場合は、「ある病気が原因になって起こる病気」や「手術や検査などに引き続いて起こる病気」など言い添えることが望まれます。

患者さんに誤解が生じないように、インフォームドコンセントの際の説明を適切に行うことが必要です。

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