耐性(たいせい)
耐性とは、細菌やウイルス、がん細胞などが抵抗力をもつようになり、薬の効果がなくなることをいいます。
これまで効いていた薬を使っても、細菌やウイルス、がん細胞などの増殖を抑えることができなくなったとき、「耐性ができた」「耐性を獲得した」などといいます。
抗生剤が効きにくくなった細菌の代表的なものにMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)があります。
「耐性」という言葉の認知率は59.5%と低いので、この言葉はできるだけ使わないほうがよいでしょう。ただし、「耐性菌」などを説明するときには、耐性という言葉そのものの説明をするようにします。
がん医療においても、がん細胞の性質が変化して耐性を獲得すると、薬の効果がみられなくなることがあります。
これまで使っていた薬に対する耐性ができたことを説明する場合、「薬が効かなくなった」などと無造作にいうと、不安を感じる患者さんもいます。「これまで使っていたものは使えない」など、「効かない」という言い方を避ける配慮も必要です。
このような誤解がある
耐性という言葉を、人が病気や薬の副作用に耐える性質だという誤解があります。一般的に使われる「ストレスに対する耐性のない若者」などの用法から類推されたものと考えられますが、まったく異なる意味に解釈される恐れがあるため、耐性という言葉を使う際には、「菌が耐性をもつ」などと主語を明確にする必要があると思われます。
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この記事は2019年1月現在の情報となります。