治験(ちけん)
治験(ちけん)とは、新しい薬を開発するために、人での治療の効果や安全性を調べる試験のことです。
製薬会社が開発する新しい薬が実際の治療に使われるためには、厚生労働省の承認が必要です。この承認を受けるために行われるのが「治験」です。
動物実験などで効果や安全性が確かめられたものについて、人での試験に進みます。
「治験」は「治療の試験」という意味です。
治験という言葉の認知率は68.6%、理解率は63.0%とともにあまり高くありません。患者さんに説明する際には、「治験」と漢字に書き、「治療の試験」という意味があることを伝えたうえで、開発中の新薬の試験であることをきちんと説明すべきでしょう。
このような誤解がある
「治験」という言葉を初めて見聞きする人のなかには、「その人に合っているかどうか試験的に治療してみること」と誤解している人もいます(16.0%)。「チケン」と耳で聞いても漢字が浮かばないことが十分考えられます。
「治験」は国語辞典には、この言葉の古い意味である「治療の効きめ」と解説されています。そのため、「治療試験」という意味の治験とは違う意味で受け取られる危険があります。
ほかにも薬を無料で投与してもらえるものだという誤解や(14.2%)、人体実験のようなものだという誤解もあります(9.3%)。
治験と似た意味の言葉に「臨床試験」があります。臨床試験も薬や治療法などの有効性や安全性を調べるために、人間を対象として行われる試験研究のことです。
臨床試験のうち、新薬の開発を目的として行われるものを「治験」といいます。
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この記事は2019年1月現在の情報となります。