QOL(Quality of Life)

QOLとは「Quality of Life」の略で、日本語では「その人がこれでよいと思えるような生活の質」といいます。もしくは、直訳した「生活の質」といわれています。

病気や加齢によって、生活に制約ができたり、苦痛を伴ったり、その人らしく生活することが難しくなることがあります。
また、手術や抗がん剤などの治療が原因で、それまで通りの生活ができなくなってしまうこともあります。

医療が必要とされるのは、それまでは当たり前にできていた生活ができなくなったときです。
患者さんの人生観や価値観を尊重し、「その人がこれでよいと思えるような生活」をできるだけ維持することに配慮した医療が求められています。

QOLという言葉の認知率は、15.9%とまだ低いのが現状ですが、医療や介護の現場で、患者さんが今の生活の満足度を一言で表現するのに最も適切な言葉といえます。
「QOL」の認知率は低いものの、端的な訳語をあてるのも難しく、「Quality of Life」をカタカナで表記した「クオリティーオブライフ」も覚えにくいため、言葉の意味を補いながら「QOL」という言葉を普及させていくのが、現実的だと考えられます。

QOLが注目されるのは、病気やそれに伴う治療、加齢によって、それまでは当たり前にできてきた、その人らしい生活ができなくなってしまうときです。医療や介護が必要とされる根本的な動機が、QOLの維持であるともいえます。
このようなことも意識した説明を添えながら、QOLの考え方が定着するような言葉遣いの工夫が求められます。

ここに注意!

QOLの概念は、ひとり一人の患者さんの側からとらえるべきもので、患者さんがどれだけ満足できるか、という観点からみることが大事です。
医療の現場で、患者さんが、「QOLがよい」「QOLが悪い」などと医師に伝えられるようになると、治療効果の判定や患者さんの生活がうまくいっているかどうかが、一言でわかるので、QOLという言葉を患者さんに覚えてもらうように努めていく必要があります。

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この記事は2019年2月現在の情報となります。

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