ショック(Shock)
医療の現場で使う「ショック」とは、血液の循環がうまくいかなくなって、脳や臓器などが酸素不足におちいり、生命にかかわる大変に危険な状態をいいます。
血圧が下がる、顔面が真っ白になる、脈が弱くなる、意識がうすれるなどの症状が現れ、緊急に治療する必要があります。
「ショック」という言葉は認知率94.4%と非常に高いのですが、血圧が下がり生命の危険があるという意味での理解率は43.4%と非常に低いのが現状です。
「ショック」「ショック状態」という言葉では、大事な意味が伝わらない危険性が高いです。家族に説明する際には、「ショック」という言葉は使わずに、何よりもまず生命の危険があるということを伝えなければなりません。
このような誤解がある
- 急な刺激を受けることだという誤解(46.5%)
- びっくりすることという誤解(28.8%)
- ひどく悲しんだり落ち込んだりすることという誤解(23.9%)
「ショック」という言葉を使う場合には、「ショック」という言葉がもつ重大さや危険性の伝わる言葉を言い添えることが必要です。
同様に「出血性ショック」「アナフィラキシーショック」などの言葉に対しても、患者さんは「ショック」の部分を日常語の意味で受け取ってしまうおそれがあるため、これらの言葉を使用する場合にも、生命の危険があるということを伝える必要があります。
抗がん剤の副作用に「アナフィラキシーショック」がありますが、これは、特定の物質がからだの中に入ることによって全身に過剰なアレルギー反応が起こり、短時間で急激に血液の循環がうまくいかなくなり、生命に危険が及ぶ状態になることです。
抗がん剤などの特定の薬剤のほか、スズメバチに刺された場合などでも起こります。
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この記事は2019年2月現在の情報となります。