炎症(えんしょう)
炎症とは、からだの一部が熱をもち、赤く腫れたり痛んだりすることをいいます。
これは、からだに侵入した細菌やウイルスなどの病原体からからだを守るために、白血球が戦っている状態です。そのような反応が起きている場所は熱をもち、腫れあがり、赤みがさし、痛みを感じます。
肺炎、皮膚炎など「○○炎」という病名がありますが、これは肺や皮膚などの部分が炎症を起こしている病気のことです。たとえば、肺炎は肺に入ってきた細菌やウイルスに抵抗するために炎症を起こしています。
アレルギーの場合も、外から入ってくる物質に反応して炎症を起こします。
炎症という言葉の認知率は98.4%と非常に高く、患者さんにとってもなじみのある言葉です。一方で理解率は77.4%と、正しく理解している人ばかりではないこともわかっています。
赤く腫れて熱をもつ症状であることは理解していても、生体防御反応の仕組みを正しく理解している人は少ないと考えられます。
患者さんが病気やけがの治療や予防、あるいは健康管理を適切に行うためにも、生体防御反応についても理解してもらえるような説明が求められます。
いきなり「○○炎」といっても、患者さんには具体的なイメージがつかめないことがあります。「○○に細菌が侵入してきて悪さをしています。白血球と細菌が戦っているので、痛くて熱がでるのです」などと話した後に、「炎症」の説明に入ると伝わりやすいでしょう。
このような誤解がある
炎症は皮膚の表面に現れる症状だけのことだと誤解している人がいます。そうした症状としてだけではなく、生体防御反応の仕組みとして理解してもらうことが患者さんの治療への意識を高めるためにも重要です。
また、炎症を完全に止めたり、抑えたりすることを望む患者さんがいますが、炎症を必要以上に抑えることは、からだを守る働きを弱める場合があることを、必要に応じて説明に加えるとよいでしょう。
この記事は2019年2月現在の情報となります。