腎不全(じんふぜん)

腎不全とは、腎臓の働きが悪くなり、からだの中の捨てなければならないものや余分な水分が、尿として捨てられず血液の中にたまってしまう状態をいいます。

「腎不全」の「腎」は腎臓のこと、「不全」は「正常に働かなくなった状態」のことです。この二つの言葉でできた「腎不全」とは、「腎臓が正常に働かなくなった病気の状態」のことで、病気の名前にもなっています。腎不全になると、捨てなければならないものが血液中に残ったままになり、からだと心の両面に悪影響がでてきます。

腎不全という言葉の認知率は96.7%と高いのですが、理解率は71.6%で、意味を正しく理解している人ばかりではないことがわかります。正しい意味が理解してもらえるように丁寧に説明する必要があるでしょう。

腎臓は腰のあたりに左右二つありますが、「腎不全」といわれたとき、二つの腎臓どちらも同時にかかるものなのかそれとも一方だけなのか、二つある(対をなす)臓器については、一方がなくても大丈夫かという疑問を患者さんは抱きます。
この疑問については、次のように答えてみてはいかがでしょうか。

「一般に二つある臓器は、一方が働かなくなるようなできごとが起きても、残った一つで維持できます。ただし、腎臓病は二つある腎臓が同時に病気になり、同じように障害が進みます」

このような誤解がある

「不全」という言葉から、「働きが十分でないだけで、まだまだ大丈夫」と軽く見る傾向があります。油断すると危険であり、放っておいて悪化すると、命にかかわることを伝える必要があります。

腎不全のほかに「不全」という言葉がつく病気に「肝不全」「心不全」「呼吸不全」などがあります。「不全」は、働きが十分でないというだけでなく、からだの大事な働きができなくなることで危険な状態になる場合に使われる言葉です。

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この記事は2019年2月現在の情報となります。

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