黄だん(おうだん)
黄だんとは、肝臓や血液の異常のために、皮膚や白目の部分が黄色くなることです。
肝臓でつくられた胆汁(たんじゅう)※が血管の中に流れ込んだり、血液が壊れたりすることによって起こります。
※胆汁:肝臓でつくられ胆のうで蓄えられる。脂肪などの消化を助ける働きをしています。
黄だんの原因には肝臓に異常がある場合と血液に異常がある場合があります。
肝臓の場合、肝炎や肝硬変などの病気や、肝臓につながる管の異常で、通常は血管に入らない胆汁が血液中に流れ込むことによって起こります。
血液の場合、赤血球が一度にたくさん破壊されることによって起こります。
どちらが原因の場合でも、血液の中のビリルビンという物質が増加して、これが皮膚や粘膜にたまることで、黄色くなります。ビリルビンは、赤血球の中にあるヘモグロビンからつくられる黄色い色素で、黄だんの原因になる物質です。
ビリルビンが増加するメカニズムについてわかりやすく説明できると、病気の原因などについて、患者さん自身が考えることができるようになります。
患者さんの症状に合わせて、次のような工夫をされるとよいでしょう。
肝臓の異常の場合
胆汁が通常は入り込まない血管に入ってしまう理由を、肝臓、胆管、胆のう、胆汁などの関係がわかるように図で示して説明するとよいでしょう。
血液の異常の場合
赤血球に寿命がくると、その中にあるヘモグロビンが分解されてビリルビンになることを、血液の仕組みを図で示して説明するとよいでしょう。
このような誤解がある
からだが黄色くなること自体が病気であると誤解している人がいます。黄色くなるのは、血液の中での変化が現れたものと伝えましょう。
みかんやニンジンなどカロチンを多く含む食べ物を取りすぎたことによって、皮膚が黄色くなる状態を「黄だん」だと誤解している人がいます(9.3%)。
この誤解に対しては、白目は黄色くならないので黄だんとは区別ができることや、ビリルビンが増加することが原因ではないので、黄だんと区別できることなどを伝えるとよいでしょう。
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この記事は2019年2月現在の情報となります。