うっ血(うっけつ)
うっ血とは、からだのある部分に、静脈の血が異常に多くたまった状態です。静脈は血液を心臓に戻す道です。うっ血は、静脈が圧迫されたり詰まったりして、血液の流れが妨げられたり、心臓のポンプとしての働きが弱ったりすることが原因で起こります。
うっ血は漢字で「鬱血」と書き、「鬱(うつ)」は「ふさぐ」「ふさがる」という意味です。「憂鬱(ゆううつ)」「鬱憤(うっぷん)」などに使われるときは気持ちがふさぐという意味ですが、「鬱血」の場合は、血管がふさがるという意味です。
うっ血という言葉の認知率は、86.4%で、ある程度なじみのある言葉ですが、誤解も少なくなく、正しく理解している人ばかりではありません。心不全など重大な病気につながるものであることを、患者さんの症状に応じて明確に伝えるとよいでしょう。
そのためには、うっ血がなぜ起こり、うっ血が起こるとどうなるのかについて、仕組みをよく説明するようにします。
「うっ血性心不全」のような病名を伝える際には特に「うっ血」という言葉を正しく理解してもらう必要があります。その場合は、上記のような表現を利用して、丁寧に説明するとよいでしょう。
「うっ血」の内容を理解するには、言葉だけの説明よりも、症状に応じてその部位の模式図や絵を示されると、一層わかりやすいと思われます。
このような誤解がある
顔のほてりや足のむくみといった程度の現象だと軽く考えている人がいます(誤解率18.3%)。重大な病気につながる危険を理解してもらう必要があります。
「充血」と混同している人がいます(誤解率9.8%)。
「充血」はある部分の動脈を流れる血が異常に増えることであるのに対して、「うっ血」は静脈の血が流れなくなってたまることです。動脈と静脈の働きを対比しながら説明すると、伝わりやすいでしょう。
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この記事は2019年2月現在の情報となります。