がん治療とお口の関係
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健康な口でしっかり食べられることは、生活の中での楽しみ、喜びであるだけでなく、体力を維持し、治療を乗り切るためにもとても大事なことです。また食事をよく噛むことは、消化の第一歩であり、消化器がんの手術後など消化機能が低下しているときなど、とても大事になります。
ところが、がん治療中はお口のトラブルがとても起きやすくなっており、お口の症状のせいで「今まで通りにおいしく食事が食べられなくなる」ことがあります。
お口のトラブルは、痛みで患者さんを苦しめるだけではなく、食事や会話を妨げ、栄養状態を悪化させて体力を落としたり、免疫が低下していることもあるために口の細菌による感染症を引き起こすなど、時にはがん治療そのものの邪魔をすることもあります。
がん治療中のお口の特徴
- がん治療によっては、口内炎や口腔乾燥など、お口の副作用が高い頻度で起きる
- だるさや吐き気などにより、今まで通りのお口のお手入れ(歯ブラシやうがいなど)を行うことが難しい
- お口の困りごとが起きても、なかなか歯科を受診できないことが多い
ここでは、がん治療中「お口の問題のせいで」食事がおいしく食べられないことがないように患者さんご自身の手でお口に対してできることや、歯科で受けることのできる「食べるためのお手伝い」などについてお話させていただきます。
出典:がん治療と食生活 ~栄養士・歯科医・看護師からのヒント~(公益財団法人 がん研究振興財団)この記事は2019年8月現在の情報となります。