がん薬物療法とお口のトラブル ~お口の感染症

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多くの抗がん剤治療は、骨髄抑制という、細菌に対する体の免疫力が低下する副作用があります。がん治療中の吐き気やだるさなどで口の清掃が難しくなり口の細菌が増えることと重なると、口の細菌による感染症が非常に起こりやすくなります。

実際、むし歯や歯周炎などの歯の治療がされていない状態で抗がん剤の治療が始まってしまうと、今まで症状のなかった歯が急に悪化し、痛みや腫れが起こることがよくあります。

また細菌の感染に限らず、カンジダ(真菌:カビの一種)やヘルペスウイルスなどの特別な感染症も起こりやすくなります。

免疫力が低下した時の口の感染症は、痛みで食事がしづらくなるだけでなく、時には全身の感染症に広がってしまう危険もあります。

口の感染症の対応

むし歯や歯周病の悪化など、口の感染が起きた場合は、歯科での治療や処置が必要になります。がん治療中に歯科の治療を受けるためには、がん治療の妨げとならないように、必ずがんの主治医や歯科医師と相談して行ってください。

がんの治療中でも安心して歯科を受診できるよう、厚生労働省が認めた講習会で研修を受けた「がん連携歯科医院」も増えてきています。ぜひご活用ください(「どこの歯科を受診すればよい?」をご参照ください)。

しかし、何よりも予防が大切です。口の感染症がなるべく起きないように、がん治療が始まる前に歯科を受診して、がん治療前であること、これからのがん治療のスケジュールを歯科医師に説明し、むし歯や歯周病のチェックや、応急的な処置を受けておきましょう。

出典:がん治療と食生活 ~栄養士・歯科医・看護師からのヒント~(公益財団法人 がん研究振興財団)

この記事は2019年8月現在の情報となります。

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