ADL(Activity of Daily Living)

ADLとは、日常生活に最低限必要な基本的動作のことです。具体的には、寝起きや移動、トイレや入浴、食事、着替えなどです。

ADLの「A」はアクティビティー(activity)で「動作」、「DL」はデイリーリビング(daily living)で「日常生活」の意味になります。直訳すれば「日常生活のさまざまな動作」となります。
ADLは、高齢者や障害のある人の身体能力や障害の程度をはかる重要な指標になっています。介護保険制度では、これらの動作一つひとつを、「できる・できない」で調査し、その結果で、その人に必要な介護レベルを決めています。

「ADL」というアルファベットの略語は、患者さんにとってなじみがない言葉で、その認知率は29.7%です。また、理解率は9.3%であることから、意味を理解している人は極めて少ないことがわかります。
したがって、患者さんに対しては、使わないようにしたい言葉といえます。
「日常生活に最低限必要な基本的動作」「日常生活動作」などと言い換えましょう。高齢者は、アルファベット略語をわかりにくく感じる人が多いので、特に配慮が求められます。

ただし、介護保険制度の指標について説明する場面などで、アルファベット略語を理解しようという意欲のある人に対しては、具体的な事柄をあげ、丁寧な説明をするようにしましょう。

「ADL」は「日常生活動作」と言い換えることが一般的ですが、このように言い換えることで、場合によっては誤解を生むおそれがあります。
たとえば、「ADLが自立している」などという文脈で、単に「日常生活動作」と言い換えると、通常の日常生活が送れると誤解される場合があります。通常の日常生活ではなく、日常生活を送るための最低限の動作を指すということが、きちんと伝わる説明をするようにしましょう。

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この記事は2019年3月現在の情報となります。

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