がん治療継続のための
栄養アシスト
肌荒れ
肌荒れについて
皮膚のきめが乱れて不快な症状が出ている状態のことを言います。
抗がん剤により分裂が活発な表皮の細胞が影響を受けると、角質層が薄くなり、皮脂腺や汗腺の分泌が抑えられることから皮膚の油分・水分が減少し乾燥が起こります。乾燥により皮膚のバリア機能が大きく損なわれるため、かゆみや赤み、かさつきなどさまざまな皮膚障害が起こります。
皮膚障害によるかゆみは、がん治療中の患者さんが抱える深刻な悩みの一つです。早期に対処し、症状をうまくコントロールすることが大切になります。
医療関係者と相談しながら、その時どきで必要なケアを行っていきましょう。
こんな栄養素を取り入れてみましょう
肌荒れの症状を和らげるために、ビタミンなどの栄養素を積極的に取り入れることを心がけましょう。ビタミンAは肌の乾燥を防ぎ、ビタミンB2は皮膚や粘膜の細胞の再生を助けます。
ビタミンB6 、ナイアシンは皮膚ビタミンといわれるほど関連の深いビタミンです。
ビタミンB6は皮膚の新陳代謝をアップさせる効果があり、ビタミンCはコラーゲンをつくるのに不可欠で、皮膚や粘膜の健康維持に役立ちます。亜鉛、脂質はビタミンの吸収を助けます。
ビタミンA |
にんじん、かぼちゃ、ほうれん草、豆苗、やつめウナギ、鶏レバー、豚レバー、ぎんだら
|
---|---|
ビタミンB2 |
しそ、ほうれん草、レモン、レバー、ウナギのかば焼き、カレイ、ぶり、卵
|
ビタミンB6 |
にんにく、ピーマン、バナナ、キウイフルーツ、マグロ、かつお、鮭、さんま、レバー
|
ナイアシン |
かつお、マグロ、いわし、さば、豚レバー、鶏ささ身、まいたけ、ひらたけ
|
ビタミンC |
ブロッコリー、パプリカ、かぼちゃ、レモン、オレンジ、柿、キウイフルーツ、いちご
|
亜鉛 |
海藻、牡蠣、やつめウナギ、ホタテ貝、豚レバー、牛肉、ラム肉、玄米
|
脂質 |
魚油(いわし、さば、さんま、マグロのトロ)、オリーブオイル、米油、えごま油、ごま油、グレープシードオイル、コーン油、バター、マヨネーズ、ドレッシング
|
桑原節子先生からのアドバイス
がん治療中は、普段よりも肌荒れが起こりやすくなります。ご自身に合った保湿剤、塗り薬など薬剤師に相談して準備しましょう。食材で助けになる栄養素もたくさんあります。まずは、リラックスして十分な睡眠と休養を取りましょう。
教授 桑原節子先生
管理栄養士
女子栄養大学栄養学部実践栄養学科卒業
2003年4月 国立がんセンター中央病院 栄養管理室長
2013年4月 淑徳大学 看護栄養学部 栄養学科 教授
2018年4月より現職
この記事は2018年11月現在の情報となります。