副作用対応レシピ

口内炎・口内乾燥

豆腐のカニあんかけ

豆腐のカニあんかけ

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1人分 エネルギー:89kcal
たんぱく質:11.1g / 脂質:2.5g / 塩分:0.8g

  • やわらかく刺激が少ない料理なので、口内の炎症を刺激しません。
  • もめん豆腐よりも絹ごし豆腐のほうが、より口当たりがよいでしょう。
  • 冷たくしても温かくしても、食べやすいほうでどうぞ。
材料(1人分)
  • 絹ごし豆腐 1/4丁(75g)
  • カニの缶詰め 小1/2缶(固形量40g)
  • だし カニの缶汁と合わせて1カップ
  • にんじん(細切り) 20g
  • 三つ葉(刻む) 5本
  • 生しいたけ(薄切り) 1枚
  • 水ときかたくり粉 少量
作り方
  1. なべにだしとカニの缶汁、ほぐしたカニの身、にんじんを入れて煮る。
  2. にんじんがやわらかくなったら、しいたけ、三つ葉を加え、水ときかたくり粉でとろみをつける(はちみつ程度のとろみに)。
  3. 豆腐を温めて器に盛り、2のあんをかける。
おじや

おじや

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1人分 エネルギー:246kcal
たんぱく質:8.9g / 脂質:5.5g / 塩分:0.5g

  • やわらかく煮たごはんは刺激がなく食べやすいので、おかゆやおじやはおすすめです。多めの水分で作るとよいようです。お好みで野菜や卵を入れてお召し上がりください。
  • 症状によっては、しょうゆがしみることもあります。また、より刺激を避けたい時は体温に近い温度にさますとよいでしょう。
材料(1人分)
  • ごはん 100g
  • 水 1・1/2カップ
  • しょうゆ・小ねぎ(小口切り) 各少量
  • 卵 1個
作り方
  1. ごはんはざるに入れてさっと洗う。
  2. 小なべにごはんと分量の水を入れて火にかける。沸騰したら弱火にしてごはんがふっくらとやわらかくなるまで煮、しょうゆで調味する。
  3. 卵をときほぐしてまわし入れ、卵に火が通ったら火を消す。
  4. 器に盛り、小ねぎをあしらう。
蒸し魚のあんかけ

蒸し魚のあんかけ

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1人分 エネルギー:121kcal
たんぱく質:21.9g / 脂質:0.4g / 塩分:2.0g

食材にトロリとしたあんがからむことで、口内が乾燥している人には食べやすく、さらに飲み込みやすくなります。また、乾燥した口内を刺激しないように食べることができます。魚はタラやギンダラ、カレイ、キンメダイなどがよいでしょう。

材料(1人分)
  • 生ダラ 1切れ(80g)
  • 塩 少量

◆ カニあん

  • カニ缶詰め 1/2缶(固形量40g)
  • 玉ねぎ(薄く切る)  1/8個(30g)
  • にんじん(せん切り) 20g
  • さやえんどう(せん切り) 3枚
  • だし 1カップ
  • 塩・しょうゆ・水ときかたくり粉 各少量
作り方
  1. タラは塩をふり、蒸気の上がった蒸し器に入れて8~10分蒸す。
  2. カニあんを作る。カニは軟骨を除いて身をほぐし、缶汁はとっておく。小なべにだしとカニ缶の汁を入れて火にかけ、玉ねぎとにんじんを入れてやわらかく煮る。塩としょうゆで調味し、カニとさやえんどうを加えてひと煮し、水ときかたくり粉でとろみをつける。
  3. 器にタラを盛り、あんをかける。
巣ごもり卵

巣ごもり卵

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1人分 エネルギー:107kcal
たんぱく質:8.4g / 脂質:5.5g / 塩分:0.7g

  • 野菜を煮汁でやわらかく煮て、中央に卵を割り入れて半熟状に仕上げます。
  • 半熟の卵は具がからんで食べやすいのですが、完全に火を通すと反対にパサパサして食べにくくなるので気をつけましょう。
  • 煮汁は多めが食べやすいでしょう。
材料(1人分)
  • 卵 1個
  • ほうれん草(ゆでて3cm長さに切る) 1/4束
  • にんじん(せん切り) 25g
  • だし 75ml
  • しょうゆ・みりん 各小さじ1/2
作り方
  1. 小なべにだし、しょうゆ、みりんを入れて温め、ほうれん草とにんじんを入れて煮る。
  2. 1の中央にくぼみを作り、卵を割り入れ、ふたをしてやわらかい半熟に仕上げる。

口内炎・口内乾燥のヒント

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Q1 口の中がヒリヒリして痛くて何も食べられません。
どのように工夫して食べるとよいでしょうか?
A1 口内炎のヒント

口の中を刺激しないように、極端に熱いものや冷たいもの、固いもの、香辛料が多く使ってある料理、酢のもの、柑橘類などは避けましょう。


  1. 主食は軟らかいごはんやおかゆ、おじや、雑炊が食べやすいでしょう。
  2. フライは衣が口の中を刺激するので、卵とじなどにすると食べやすいでしょう。
  3. 食べ物の温度は人肌程度又は冷まして食べると食べやすいようです。
  4. 味付けはだしをしっかりとって薄味にするか、だし汁だけで料理すると刺激が少なく食べやすいようです。食べる時にしみるようでしたら、ぬるま湯で薄めて食べてもよいでしょう。
  5. りんごはすりおろして食べると刺激が少なく、食べられます。
  6. 固形の食べ物は脂肪分を含んだマヨネーズなどをつけて食べると食べやすくなるようです。
  7. 口内を常に湿らせておくために、清涼飲料水、飲むゼリーなどを身近に常備しておくとよいでしょう。

症状出現の考え方、症状が出やすい治療法

口内炎の最初の徴候としては、粘膜が蒼白になり乾燥してきます。その後、口内や歯肉やのどがヒリヒリします。

症状が出現しやすい時期・期間

抗がん剤治療による口内炎は一時的なもので、治療開始から2週間後に起こるようですが、治療後は少しずつ治っていきます。

Q2 唾液の量が減ったのか、口の中がカラカラに乾いて食べ物が食べにくく、飲み込みにくいのですが、どのような工夫をして食べるとよいでしょうか?
A2 口内乾燥のヒント

粘膜を傷つけないように、固い食べ物や熱い飲食物、香辛料、アルコール、酸味のもの、乾燥したもの、甘みの強いもの、大量の生野菜は避けて、水分が多くて軟らかく、消化のよい料理にしましょう。


  1. 主食のごはんは軟らかく炊くか、おかゆにします。軟らかく煮た野菜や卵を入れたおじやもよいでしょう。
  2. 調理方法としては、主に「煮る」「蒸す」の方法で水分量を多くしましょう。
  3. あんかけにしてとろみをつけると食べやすくなります。
    あんの作り方:だし汁を沸騰させ、少し火を弱めて、だしをたまじゃくしでかき回しながら、水でといたかたくり粉を糸を引くように静かに入れます。
  4. 固い食べ物は肉汁、ソース、マヨネーズ、ヨーグルト、サラダドレッシングなどを加えたり、和えたりするとのどの通りがよくなり飲み込みやすくなります。
  5. パンはパンがゆやフレンチトーストにしたり、飲み物と一緒に食べたり、牛乳やコーヒーに浸して食べると食べやすくなります。
  6. のど越しのよい食品(ゼリー、プリン、ヨーグルト等)を取り入れてみましょう。
  7. 食事の際には、必ず飲み物や汁物を添えて、食べ物と飲み物や汁物を交互にとるとよいでしょう。

症状出現の考え方、症状が出やすい治療法

抗がん剤治療や頭部や頸部への放射線照射は唾液腺を萎縮させ、唾液が出にくくなって口腔内が乾燥し、粘膜細胞が傷つきやすくなり痛みも起こります。そのために食事も食べづらくなります。

症状が出現しやすい時期・期間

唾液分泌の減少は治療開始から1週間以内に始まり、治療終了時までにピークに達し終了後も持続することがあります。

口腔ケア

がん治療の副作用で、口の中が乾燥したり、舌の表面に苔(こけ)が付着したりすることにより、さまざまな影響をおよぼします。患者さん自身で、また自身でできない場合は家族の方・介護をされる方がこまめにケアをすることで、食欲不振や感染を防ぐことができます。

1.唾液の役割
保湿作用 口や喉を潤し、食べ物を飲み込みやすくする。発音や会話をスムーズにする。
自浄作用 食べ物のカスや侵入してきた雑菌を洗い流す。
消化作用 唾液中の消化酵素(アミラーゼ)が糖質・デンプンを分解する。
菌の繁殖防止作用 唾液中のラクトフェリンやリゾチームなどが病原微生物に抵抗する。
2.唾液分泌の減少による影響

唾液は大切な働きをしていますが、近年は唾液の分泌が減少する人が増えています。唾液減少で、さまざまな影響が発生します。


唾液分泌の減少による影響
3.原因

口内乾燥はさまざまな原因により発生します。単独の原因だけでなく、いくつかの原因が重なっている場合もあります。


・放射線治療・降圧剤・糖尿病・抗がん剤治療・利尿剤・腎臓病・頭頸部腫瘍の手術
・抗うつ薬・自己免疫疾患(シェーグレン症候群)・精神的ストレス・更年期障害

4.対策
1.口の中を清潔に保つ
  1. うがいをする
    口の中が乾燥していると、味の成分をうまく味蕾(みらい)に運搬することができなくなり、味がわかりにくくなります。口の中をうるおった状態にしておくことは、味覚障害の予防になります。

    また、うがいは口の中の乾燥を防ぎ、口内炎や口の中の感染症の予防になります。水道水でよいので、こまめにうがいをしましょう。食事の前に、レモン水やレモン味の炭酸水でうがいすることで唾液の分泌が促され、口の中がさっぱりして味覚の低下を予防したり、味覚の回復を促すことができます。
  2. 口の中のブラッシングをする
    歯ブラシなどで、口の中の歯垢(しこう)や食べかすを除去します。
  3. 舌苔の除去をする
    唾液の分泌が少なくなって舌が乾燥したり、表面に白い舌苔が付着した状態になると、味がわかりにくくなります。舌もブラッシングや清拭できれいにしておきましょう。
2.水分補給を忘れずに
唾液の原因となる水分が不足しないように注意します。水分制限がある疾患(腎臓病、糖尿病等)の場合は主治医と相談。
3.唾液腺を刺激する
舌や口の筋肉が衰えると分泌が減少します。
よく噛んで食べることにより、顎の運動になります。
ガムを噛む、舌の運動、発声練習なども効果的です。
4.保湿対策
口内乾燥を防ぐため、保湿ジェルや保湿スプレーを利用。

出典:がん治療中の食事サポートブック2018(公益財団法人 がん研究振興財団)

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