がん治療継続のための
栄養アシスト
口内炎
口内炎について
口内の粘膜に起きた炎症で、粘膜が赤く腫れたり、痛んだりする症状のことを言います。
口内炎の多くは、化学療法や口やのど、耳など頭頸部がんの放射線治療によって、口の中の粘膜が傷つけられたり、唾液を出す細胞がダメージを受けたりすることで起こります。
また、十分に口腔ケアができていない、免疫力の低下(加齢、薬の副作用など)、喫煙、入れ歯が合わず粘膜を傷つけてしまうことなども原因となります。
口内炎があると、食欲の低下、味覚の変化、食事がしみる、飲み込みにくいなどの症状が出ることがあります。これらのトラブルによって、食事や睡眠を十分にとれなくなると、体力の低下につながることがあります。
口腔ケアによって口腔内を清潔に保つことをまず心がけましょう。また、十分な栄養をとることを心がけ、体力をつけることが口内炎の治療に役立ちます。ビタミン類の摂取不足が口内炎の原因となることがあります。積極的に取るように心がけましょう。
口の中がヒリヒリして痛いときには、酸味やスパイスを控えた薄味の料理で痛みを和らげましょう。食事は口の中を刺激しないように、極端に熱いものや冷たいもの、固いもの、香辛料が多く使ってある料理、酢のもの、柑橘類などは避けましょう。
口腔内の乾燥により、口内炎が悪化したり、食事が食べにくくなるため、保水液、飲むゼリーなどを常備して乾燥を防ぐとよいでしょう。
こんな栄養素を取り入れてみましょう
ビタミンA、B2 、B6は口内の粘膜の細胞の再生を助けます。ビタミンCは抗酸化作用があり、粘膜の健康維持に役立ちます。
ビタミンA |
にんじん、かぼちゃ、ほうれん草、豆苗、やつめウナギ、鶏レバー、豚レバー、ぎんだら
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ビタミンB2 |
しそ、ほうれん草、レモン、レバー、ウナギのかば焼き、カレイ、ぶり、卵
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ビタミンB6 |
にんにく、ピーマン、バナナ、キウイフルーツ、マグロ、かつお、鮭、さんま、レバー
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ビタミンC |
ブロッコリー、パプリカ、かぼちゃ、レモン、オレンジ、柿、キウイフルーツ、いちご
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桑原節子先生からのアドバイス
口内炎のときの食事形態は、水分が多くやわらかい、のど越しのよい形態となりますので、ゼリーやプリン類、スープ、ポタージュなどが適応ですが、痛みを和らげる薬の利用も効果的でしょう。一定期間で改善する例が多いため、症状が厳しい状況であれば、静脈栄養や濃厚流動食の活用もよいでしょう。
教授 桑原節子先生
管理栄養士
女子栄養大学栄養学部実践栄養学科卒業
2003年4月 国立がんセンター中央病院 栄養管理室長
2013年4月 淑徳大学 看護栄養学部 栄養学科 教授
2018年4月より現職
この記事は2018年11月現在の情報となります。